良く聴くノート | 認定補聴器技能者による補聴器と聴こえのブログ

耐用年数を過ぎた補聴器が故障したら? 修理と買替ではどちらがいいかを考察しました

2020/07/21
補聴器の選び方
補聴器 補聴器販売店
以前に  どうして『補聴器の寿命は5年』なのか? 障害者総合支援法と補聴器の耐用年数の話  と題して公開した記事で、補聴器は必ずしも5年が経過してしまうと使えなくなってしまうわけではないことをお伝えしました。

補聴器はメーカーが部品を保管している限りは修理して使い続けることが可能であり、それは器種が製造終了してから5年間は保障されています。

もっとも、器種が製造終了してから5年が過ぎてしまうと修理不能になってしまいます。

おおまかな傾向として、
『耐用年数を目安にして買い替える人』
『なるべく修理して使用し続け、修理不能になったら買い替える人』

と二通りに分かれるのではないでしょうか。
(※実際には、3年ごとに買い替える人や8年ぐらいで買い替える人もいます。あくまでも、大まかな傾向として記述しました)

もし、5年以上使用した補聴器が故障してしまったときに、、補聴器店で修理と買替どちらが良いかを尋ねれば
強く勧められるか、やんわり勧められるかの違いはあるでしょうが、ほとんどの補聴器店員は買替を推奨するでしょう


次の画像は、販売店員がお客様に修理と買替のどちらが良いかをご案内する営業資料を想定したものです。

補聴器は買替? 修理?

資料では同じ価格帯の補聴器を購入したAさんとBさんの比較です。
人生100年時代と言われておりますから、70歳から100歳まで補聴器を使用することを想定しています。
所謂エントリーモデルに相当する両耳価格20万円の補聴器を購入することを想定しています。

6年ごとに補聴器を新調するAさんは生涯で100万円の出費であり、
なるべく修理しながら補聴器を使用しつつ修理不能になったら新調するBさんは96万円の出費です。

金額のみに目を向けた場合、30年で4万円の差があることを大きいと捉えるか小さいと捉えるかは、人それぞれです。

もしも94歳で補聴器を使用しなくなるなら、ケース1は80万円で、ケース2は84万円という見方が可能で、出費の差は逆転してしまいます。

また、資料では6年目から1年ごとに3万円の修理が発生することを想定していますが、実際にはこれ以上の頻度や金額で修理を行うこともありますし、この半分程度ということもあります

補聴器を購入する時点で、今後必要になる修理代金を完全に予想することはできません。
1万円かもしれませんし、50万円かもしれません。

到底、結論と呼べるものではありませんが、
耐用年数を過ぎた補聴器が故障した場合、修理と買替のどちらが良いともいえない。
というのが私見です。

補聴器が故障した時点で、修理不能であったなら買替を選択するしかありませんが、修理可能であった場合は、個々人の生活様式やご不便に合わせて検討することができます。

今まで使用していた補聴器は何度調整しても、どうしても聞き取りづらい場面があったり、不便があったということであれば、その課題は最新の補聴器で解決できる可能性があるため、まずは試聴を勧めます。

今まで使用していた補聴器によって、生活の不便が十分に解消されていたのであれば、その補聴器を修理して使用を続けても良いでしょう。
ただし、半年後や1年後に再び故障するかもしれませんし、修理後は故障しないかもしれません。
中長期的に考えようとしても不確定要素が大きく、答えは出しづらいでしょう。


補聴器が故障したときは、その時点のご自身を基準にして、シンプルに考えてください。
今まで使ってきた補聴器が必要なのか、新しい補聴器が必要なのか。
この二択です。

今までの補聴器が自身にとって十分だったのかはプロである販売員に尋ねてください。
上手に使用できていたかは、補聴器店で保管している記録に基づいて評価することができます。
もちろん、ご自身でも評価してください。

その上で、新しい補聴器の性能や機能を聞いて、あるいは試聴して、判断されるとよいでしょう。