良く聴くノート | 認定補聴器技能者による補聴器と聴こえのブログ

補聴器の購入支援制度・助成金支給制度について 36万円安く買えることも!?

2020/07/23
補聴器の購入支援制度
補聴器 難聴 補聴器販売店 耳鼻咽喉科
補聴器の金額は、超低価格の簡易補聴器を除けば、おおよそ1台約10万円から約60万円までの価格帯で販売されています。

30万円の補聴器を6年間使用する場合、1年あたり5万円です。
補聴器の金額については、使用する人によって考え方が違うようです。

・価値に見合う適正な金額だと考える人
・金額以上の価値があると考える人
・価値に対して金額が高いと考える人

お金に対する価値観は人それぞれ異なりますし、使用される人の聴力によって効果を十分に発揮できるかどうかは異なりますので、このように金額に対する考え方も多様であることは止むを得ません。

しかし、補聴器を購入される皆様は、やはり少しでも安く購入したいという気持ちが強いようです。

そこで、今回は補聴器を購入する際に利用できる支援制度について紹介します。

助成制度

日本国内で実際に利用されている制度で、比較的利用頻度が多いものを6つ紹介します。

①障害者総合支援法による補装具費助成
②軽中等度難聴児への補聴器購入助成
③自治体独自の補聴器購入費の助成(成人対象)
④自治体独自の補聴器の交付(成人対象)
⑤労働災害補償による補装具費支給制度
⑥補聴器メーカー、補聴器販売店独自の補聴器購入費の助成制度

一つずつ詳しく解説します。

①障害者総合支援法による補装具費助成

この制度は、狭義の身体障害者(≒障害者手帳を所持されている人)に対して、補聴器の購入費用を助成する制度です。

身体障害者であれば無条件に利用できるというわけではなく、聴覚障害として手帳が交付されていることが大前提となります。障害者手帳(※カード化された手帳を除く)の障害名欄に「聴覚障害」と記載されていれば該当します。

肢体障害や視覚障害によって障害者手帳を交付されている方は対象外です。また、緑の手帳、養育手帳、精神障害者手帳のみを交付されている方も対象外になります。

また、障害者手帳を交付された聴覚障害者であっても、医師によって補聴器の必要性を認められていなければ該当しません。
補聴器を使用しなくても音声言語によるコミュニケーションが滞りなく行えている場合、最重度のろう者で補聴器を使用しても声や音を聞き取ることができない場合などが該当するでしょう。

聴覚障害者として障害者手帳を交付され、且つ医師によって補聴器の使用が必要であると認められた上で、都道府県による判定を受けた場合にのみ、補聴器の購入費用の助成を受けることが可能です。

助成金額は判定内容によって34,200円から274,000円です。ポケット型補聴器の購入費用であれば助成金額は少なく、オーダーメイド耳あな型補聴器を両耳に使用するという判定であれば助成金額は多くなります。


②軽中等度難聴児への補聴器購入助成

①は都道府県が法律に基づいて実施する制度でしたが、②は市区町村が自治体の条例に基づいて独自に実施する制度です。

①の対象に該当しない児童に対して①と同程度の助成を行う制度です。
自治体によって制度の対象者が異なります。18歳未満を対象にする場合、18歳以下を対象にする場合、18歳に達した年度の3月31日までを対象にする場合など、微妙な違いがあるため必ず確認を行ってください。

また、自治体によっては制度自体を設けていない場合もあります。


③自治体独自の補聴器購入費の助成

②は児童を対象にした自治体独自の制度ですが、③は成人を対象にした助成制度です。

こちらは自治体によって制度の詳細が特に異なります。
対象者については、60歳以上、65歳以上など年齢基準が設けられている場合や、非課税世帯に限られる場合などがあります。
助成金額についても、1万円の自治体や5万円の自治体など様々です

やはり、自治体によっては制度を実施していない場合もあります。
また、①や②を利用する際の窓口は障害者福祉課や支援課であっても、③を利用する場合の窓口は高齢者福祉課などの場合もあります。


④自治体独自の補聴器の交付

③は助成金についての制度でしたが④は補聴器の実物を支給する制度です。
栃木県宇都宮市などが実施しております。


⑤労働災害補償による補装具費支給制度

労働災害によって難聴になった場合に対する保障制度です。
支援内容は概ね①と同様です。


⑥補聴器メーカー、補聴器販売店独自の補聴器購入費の助成制度

補聴器メーカーや補聴器販売店が独自に行っている助成制度です。

リサウンド社の場合、乳幼児および学生に対して20%引きで補聴器を販売しています。

リオン社(リオネット補聴器)の場合、20歳以下の難聴者に対して、高度難聴用耳掛け型補聴器の全器種を46,007円で販売しています。①や②との併用が可能であり、該当者は5,000円程度の負担で補聴器を入手することも可能です。
リオネット補聴器の最高額の耳掛け型補聴器は37万円ですので、約36万円引きで購入することができます。
国内シェア1位の安定した基盤があるからこそ可能な制度と言えるでしょう。


補聴器メーカーに限らず、補聴器販売店や福祉団体が独自の助成制度を設けている場合もあるようです。



以上、6つの助成制度について紹介しました。

①と⑤については、(自治体の運営上の都合で、運用の違いが生じる場合はありますが)原則的には全国一律です。

その他の助成については、お住まいの自治体や補聴器相談医がいる耳鼻咽喉科、認定補聴器技能者がいる補聴器専門店にて確認されると良いでしょう。
ただし、自治体や耳鼻咽喉科、補聴器専門店でも制度を十分に把握していない場合もあります。

インターネット等で、「〇〇(住んでいる自治体) 補聴器 助成」というキーワードで検索してみると、情報を得られることもあります。


また、購入支援制度ではありませんが、補聴器の購入には医療費控除が適応になる場合があります

補聴器を必要とする主な場面として、医師等による診療や治療を受けるために直接必要であると補聴器相談医が証明していることが条件です。
近隣に補聴器相談医がいる病院が無い等のやむを得ない事由であっても、補聴器相談医以外の医師が証明をした場合については、原則的に医療費控除の適応にはなりません。

また、医療費控除額は、所得税の納税総額と年間の医療費によって算定されます。
所得税を多く納税している方ほど納税額が多くなります。

詳細な控除額を知りたい方は、税務署の担当者、もしくは税理士にご相談ください。


助成制度についても、医療費控除についても、第三者が代理で行うことはほぼありません。
必ずご自身で調べて、ご自身で申請を行うようにしましょう。

また、補聴器の購入助成や医療費控除を語った詐欺なども、今後は起こり得るかもしれません。
もし、補聴器に関連して不審な電話やメール、広告などを目にした場合は、警察や補聴器販売店、補聴器相談医に相談するようにしましょう。