良く聴くノート | 認定補聴器技能者による補聴器と聴こえのブログ

3,400人の難聴者に対して認定補聴器技能者は1人だけ

2020/04/14
補聴器技能者
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はじめまして。こちらは認定補聴器技能者が運営するブログ "良く聴くノート" です。

補聴器のこと、聴こえのことを皆さんに発信したいと思い、このブログを立ち上げました。

少々長くなるのですが、ブログを立ち上げようと思った背景を皆様にお伝えします。



認定補聴器技能者とは、財団法人 日本テクノエイド協会によって認められた補聴器の販売・調整の専門家の資格です。

補聴器業界での4年以上の実務経験と指定の講習と実習を受けた後に、試験に合格した者で、且つ補聴器相談医との連携している者であると認められなければ、この資格を取得することはできません。
試験合格者は4,193人(2020年4月時点)ですので、日本人の約3万人に1人がこの資格を有しています。

日本補聴器工業会によると、約1430万人の日本人が難聴者であると推定されています。(※ http://www.hochouki.com/about/report/program.html)
およそ3,400人の難聴者に対して、認定補聴器技能者は1人だけです。


もちろん、実際に1人の認定補聴器技能者が3,400人のお客様を対応しているわけはありません。

現状は、認定補聴器技能者以外の者が補聴器の販売や調整を行っていることが多々あります。

認定補聴器技能者以外で、補聴器の販売や調整に携わっていると考えられるのは、
・言語聴覚士や耳鼻咽喉科医師などのより高度な専門資格を持つ者
・元有資格者だが現在は資格を失効している者
・認定補聴器技能者が常駐する店舗に在籍し、認定補聴器技能者の指導を日常的に受けている無資格者
・その他の無資格者
等が想定されるかと思います。


認定補聴器技能者は補聴器に特化した専門家ですが、聴覚リハビリの専門家である言語聴覚士、難聴や聴覚障害の専門家である医師が、補聴器の販売や調整に関与することもあります。
それぞれ、補聴器以外のことも勉強されておりますが、もちろん補聴器のことにも精通されています。

認定補聴器技能者は5年ごとの資格更新が必要です。しかし、例えば退職や会社内での部署移動などの理由により、資格更新を行わないということもあるでしょう。そういった元有資格者が、再び補聴器の販売や調整に携わる場合もあります。
資格を取り直す方もいますが、定年退職後の再雇用者やパートタイマーの主婦など、資格を取り直さない方もいます。

認定補聴器技能者の試験を受けるためには4年以上の実務経験が必要になるので、活躍中の認定補聴器技能者の誰もが無資格で実務を行っていた期間があります。
そして、認定補聴器技能者になろうとする者も、今現在は無資格で実務を行っています。彼らは、先輩の認定補聴器技能者から適宜指導を受けながら、補聴器の販売や調整に携わっています。


さて、世の中にはそれら以外の無資格者であっても補聴器の販売や調整を行うことが可能です。

補聴器は、販売業の許可と販売管理者の設置を行えば、販売が可能になります。販売許可そのものに、補聴器自体の専門知識はほとんど必要がありません。
ドラッグストア、眼鏡店、時計店等で、知識や技能が不十分な者が、補聴器を販売することも可能です。

2020年1月29日に、消費者庁より補聴器に関する注意喚起として、『補聴器の使用を検討中の皆様、そして、ご家族等の周囲の皆様へ。』が発表されましたが、
”補聴器は、「認定補聴器技能者」などの専門知識・技術を持った者に調整(フィッティング)してもらうことが効果的です。”
と記載されているように、補聴器は専門的な知識と技術による取り扱いが極めて重要になります。

そのため、十分な知識や技能を持たない無資格者から補聴器を購入したが、補聴器が十分に効果を発揮しなかったということも起こり得ます。
上述の消費者庁による注意喚起が行われるにあたり、消費者庁長官は記者会見で、
”補聴器に関する消費生活相談は、ここ数年大体600件程度寄せられております”(※ https://www.caa.go.jp/notice/statement/ito/018831.html
との現状を述べられました。
あくまでも消費者庁に相談している件数が600件ですので、実際には更に多くの方が補聴器を適正に使用できていないことでしょう。



より多くの方が補聴器を適正に使用するためにも、補聴器業界として認定補聴器技能者の養成は急務ですが、それ以外に私個人としても何かできることを行いたいと思い、ブログ形式にて情報発信をしていくことを決意しました。


これから、補聴器のこと、聴こえのことなど、私自身が皆さんにお伝えしたいと思ったことを、どんどん記事にしていこうと思います。

どうぞよろしくお願いします。

2020年4月14日 良く聴くノート